空撮サービス株式会社


社長ブログ

安全なバッテリーシステムを開発

2018年1月1日

30年近くラジコンを経験してきて、最も危険な目に遭ったのはLIPO(リチウム ポリマー)電池の発火です。バッテリーの発火で危険な目に遭った事があります。セル数の設定違いで過充電による発火でしたが驚くほど大きな火が出て危うく家屋焼失に繋がるところでした。また墜落などによる内部絶縁層のショートなどでも一昨年の赤城山の例など発火した事例があります。
私の所属していたグライダー俱楽部では山間地での山火事の恐れがあるためLIPOの使用は禁じられていました。
この様に危険性のあるLIPOですが、ほとんどのドローンはLIPOを使用しています。現状では代わりとなる高性能なバッテリーがないからです。

しかし、安全なバッテリー無くして、ドローンの発展は絶対にあり得ません。山間部や市街地で墜落して発火することを考えると自動飛行による目視外飛行などは不可能となります。昨年、マクセル株式会社様が外装を強化して耐衝撃性を高めインテリジェント化して過充電による発火を防ぎ、内部の温度や残容量、電圧や電流などの状態を読み取ることができるバッテリーを開発されました。そこでDJIをのぞき現時点では唯一ともいえる安全なバッテリーを採用することに決めました。下記はMaxellバッテリーをドローンとともにおよそ20m上空から落下させたときの状態です。外装は少し損傷していますが、内装はしっかりしており安全対策がしっかりしていることがうかがえます。

落下試験

落下試験 

ただMaxellバッテリーは容量が少ないため中型ドローンを飛行させるためには2本並列で飛行させる必要がありました。当初はバッテリー間を直結で飛行させていたのですが、バッテリーが破壊してしまう事故が発生しました。両方とも満充電の時は問題無いのですが、アンバランスな時はバッテリー間で大きな充電電流が流れてしまい過充電でヒューズが切れてしまいます。素人でも使いやすくするために、充電量がアンバランスでもバッテリーが壊れない回路を開発しました。

安全な飛行には後どれくらい飛行できるのかという残容量の把握が不可欠です。通常のドローンはバッテリー電圧で判断していましたが、Maxellバッテリーは通常のLIPOバッテリーに比べて電圧が低いので、残容量の正確な判断は難しい物になっていました。実際に残容量が把握できれば、飛行時の電流値からあとどれくらい飛行できるか、バッテリーの種類や劣化度にかかわらず正確に判断できます。ドローンの事故の多くがバッテリー切れによる物だという事を考えれば、正確な残容量の把握が不可欠と思われます。

ArdupilotのVer3.5からMaxellバッテリーの状況が読めるようになりました。ただ残念ながら現バージョンでは残容量はサポート読み取れなかった様に思いますがこれは改善されると思います。しかし並列接続にした場合、バッテリーのI2CのIDが同じであるため、同時に二つのバッテリーの情報を読み取ることができません。物理的にどちらか一方のバッテリーだけしか読み取ることができないのです。そこで当社ではI2Cの切替回路を開発しました。この切替回路と先程の並列接続アダプターを統合した基板を現在開発中です。

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I2Cスイッチと並列回路については、下記に公開いたします。またこのアダプターを使ったドライバーについては下記でソースコードを公開しておりますので参考にして下さい。Team ArduPilot JAPAN(TAP-J)でもご検討いただいております。

Maxellバッテリ並列アダプタ仕様書

https://github.com/horiuchi4dn/ardupilot-maxell-para/commit/7764a319c0a6a838505bab230230b57c87770e35

当社の経験が活かされ、一刻も早く安全なドローン用バッテリーが普及することを願って資料を公開いたします。

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